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当園では、食事のマナーや食前の手洗いうがい、食後の歯磨きの大切さなど、食事の際に気をつけることを分かりやすく子供たちに指導しています。また、野菜の栽培方法や食材の栄養素についても学ぶ時間を設け、「食べる」ということは「命を頂いている」という事だと理解できるよう、説明しています。
実施内容
- 【手作りのファイルを使った食のお話】
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9月から3月までの半年間、給食を食べる前に下記の項目についてまとめたファイルを見せながら、お話をしています。

・なぜごはんを食べるのか
・どんな食べ方はいけないのか
・好き嫌いをするとどうなるのか
・野菜の食べられる部位について
・手洗い、うがい、歯磨きの大切さ
・おせち料理やお雑煮、鏡もち、お餅つき、節分など季節ごとのお話
・食材の特徴や栄養についてのお話など
(食材例)
米・小麦・ジャガイモ・豚肉・鶏肉・牛肉・牛乳・赤身魚・白身魚・青背魚・ エビ・カニ・イカ・タコ・貝・海藻・きのこ・牛蒡・こんにゃく・ごま・木の実・人参・トマト・ピーマン・小松菜・ほうれん草・みかん・柿など・・・身近にある食材のことを知ってもらい、食べものに興味をもち、少しずつでも好き嫌いを無くせるように心がけています。
手作りファイル例 ・・・ にんじん
- ● 1日目
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今日は人参のお話をします。
みんなは人参が好きですか?人参は、赤色・黄色・緑色、どの色の仲間でしたか? 人参は、オレンジ色をしていますが、緑色の仲間です。今日は、みんなに人参について知ってもらいたいことがあります。まず、人参にはビタミンAがいっぱい入っていること、食べないとお肌がカサカサになること、暗い所で目が見えにくくなること。この3つを覚えておいてください。
- ● 2日目
- 昨日は、ビタミンAを食べないと、お肌がカサカサになったり、暗い所で物が見えにくくなったりしますよ、と言いました。もうひとつ、なりやすい病気があります。それは、風邪です。
ビタミンAを食べないと、風邪のバイキンが体の中に入りやすくなってしまうのです。 人参の他にもビタミンAがある野菜は、かぼちゃ・パセリ・ほうれん草・大根のはっぱなどがあります。みんな、風邪をひかないように、ビタミンAの入ったお野菜をいっぱい食べましょうね。
- ● 3日目
- 2日間、人参のお話をしました。人参は、何色の仲間でしたか?
人参にたくさん入っている栄養は何でしたか?
ビタミンAを食べないと、お肌はどうなりますか?
他にも、ビタミンAを食べないと、暗い所で物が見えにくくなることがあるのでしたね。それに、風邪のバイキンが皆の体の中に入りやすくなってしまいます。
最後に、ビタミンAがあるお野菜を覚えていますか?
かぼちゃ・パセリ・ほうれん草・大根のはっぱですよ。覚えておいて下さい。
人参の良い所が、たくさんわかりましたか?みんな、残さずに食べましょう!!
- 【手作りのファイルを使った食のお話】
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食べ物は赤・黄・緑のグループに分けられ、それぞれ身体の中でちがう働きをすることをお話しします。

●赤・・・ぐんぐん大きくなる食べ物。
おもに筋肉や血になって、体を作る「たんぱく質」がたくさん含まれる。
●黄・・・もりもり力が出る食べ物。
体を動かす元気(エネルギー)を作る「炭水化物」がたくさん含まれる。
●緑・・・元気な体になる食べ物。
体の調子を整える。病気に負けない体を作る「ビタミン」がたくさん含まれる。
- 【食べ物クイズ】
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落花生はどのようにできるのかな?
いちごの種はどこにある?
パイナップルはどのようにできるのかな?
たけのこは何日で大きくなるの?
色々な食材を三色に分けたり、イラストを描いたファイルを使ったり、楽しく食育クイズを出しています。
- 【献立と食材カードの展示】
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毎日の献立をホワイトボードに書き、食材カードを三色(赤・黄・緑)に分けて表示しています。
また、給食室の前に設置してあるケースの中には、その日の給食を展示し、園児や保護者の方が見られるようにしています。
- 【献立に雑穀・郷土料理を取り入れる】
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白ごはんだけでなく、黒米・きび・押麦などの雑穀を入れる日もあります。また、沖縄・九州南部・九州北部・中国四国・近畿東海・関東北陸・北海道東北地方の郷土料理を、地方ごとに毎月6~7品、献立に入れています。
(例) 沖縄地方の料理→ちきなーチャーハン・ラフテー・にんじんシリシリー・ゴーヤのツナ和え・パパイヤイリチー・あおさの吸い物・マンゴープリン
- 【野菜作りの体験や収穫・試食】
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レタス・ジャガイモ・茄子・トマト・ピーマン・ほうれん草などを作り、みんなで収穫したものを給食でいただきます。
- 【テーブルマナー】
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年長児のお泊り保育の夕食では、一人ひとりに、前菜・スープ・主菜・ごはん・デザートと順にコース料理を出し、スプーン・フォーク・ナイフを上手に使ってテーブルマナーを学びます。
(メニュー例)
・おはなのサラダ
・穴子とポテト添え
・とうもろこしの冷たいクリームスープ
・但馬牛の小さなパテとパプリカソテー
・帆立貝のフライ~タルタルソース~
・かぼちゃとベーコンのニョッキグラタン
・若鶏ときのこのピラフ
・メロン
- 【子育て大学(保護者講演会)に於いて、保護者の食育】
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年に1回、保護者の方を対象に、子育て大学をしています。
前年度は、1日30品目が摂れる多品目構成メニューのホームパーティーを提案し、数種類のメニューの実演や試食を行いました。また、平成23年には尼崎市の保健所の方にも参加して頂き、様々な意見交流も行いました。
(例) バラエティーサンドウィッチ・・・13種類の具材を紹介
色々手巻き寿司・・・9種類の具材を紹介
- 【園通信(みみずく通信)に於いて、コメントによる食育】
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毎月発行される当園の通信に、コメントを掲載しています。
栄養の話・朝食の大切さ・バランスのとれた食事・人気メニューのレシピ・お箸の使い方などをイラストつきで紹介します。
- 【各種アレルギー食に対応】
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卵・小麦・大豆・乳製品・肉類・魚類・甲殻類・ごまなど、個別に対応しています。
- 【食の安全について】
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① 有機栽培の野菜を多く使用しています。 契約農家3~4軒とタイアップして、新鮮で安全な野菜を仕入れていますので、大根や人参の皮もなるべく使い、食物繊維の多い料理を心掛けています。
② 野菜・フルーツの消毒。 野菜・フルーツには"焼成カルシウム"を使用して、消毒と農薬の除去を行っています。"焼成カルシウム"は高価ですが、安全面には最高で、食品に残留してもカルシウム源になり、消毒液の害はありません。
③ 無添加物、もしくは添加物の少ない食品を使用しています。
- 【魚さばき(命の尊さ、命をいただくから〈いただきます〉を教える)】
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魚のさばき方を教えることで、命の尊さや「いただきます」の意味を教えます。
魚さばきの授業
- ① 魚を用意する(80㎝~1m位)
- 子ども達に魚を見せて触らせ、鱗を取らせる。
- ② 包丁の扱い方の説明
- 包丁は切れるので、使い方を間違うと人に怪我をさせてしまう可能性もあるという事、
まな板から決して出さないよう気をつける事、横を向くときは包丁をまな板の上に置く事、目の高さより上に包丁を上げない事を教えます。
- ③ 友達に暴力を振るわない。
- 内臓を綺麗に取り出して、心臓・胃・肝臓・腎臓・腸などの働きを説明します。人間も体の中に同じ臓器があることを教え、触れさせ、やわらかさを実感させます。自分たちにもこんなに柔らかい内臓がおなかの中にあるということ、だから友達を殴ってはいけない、殴ると内臓が壊れる、壊れると病気になるということを説明します。
- ④ 食べ物を残さない
- 胃を切り開くと、小さな魚やイカが入っています。胃の中の魚も、もっと小さな生き物を食べて生きています。この魚がこれだけ大きくなるには、沢山の命を食べていること、食べ物を残すと、沢山の命(魚、鳥、牛、豚等)が粗末になってしまうこと、命をいただいているのだから大切に食べてほしいということを説明します。
- ⑤ 命をいただくから「いただきます」という
- 人間は沢山の命を食べて生きてきた生き物(魚、鳥、牛、豚等)を食べています。私たちは何も食べずに生きていくことは出来ません。私たちが食べるということは、沢山の命が失われることです。その失われた命に感謝して食べてほしい、命を食べるから「いただきます」と言うのだと話しています。
- ⑥ スーパーで売っている状態にします。
- 発砲スチロールのトレイにのせて、サランラップをかけます。「みんながスーパーで見ている魚はこれだよね。実は、あの大きな魚がこのように切り分けられて、スーパーで販売されているのだよ。」と教えます。
- ⑦ 最後に
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毎年1回ですが、以上のような話を子ども達にします。
満3歳児入園であれば、卒園までに4回話すことになりますが、子ども達の記憶にどのくらい残っているのか心配でした。
しかしある日、そんな心配を払拭するかのように、卒園児のお母様からの一本のお電話がありました。
卒園後、入学した小学校で、先生が、「どうして、いただきますと言うのか知っている?」と子ども達に尋ねたそうです。その子はすかさず「命をいただくからです」と答えたそうです。
先生がびっくりして、「どんな教育をされているのですか」とお電話にて尋ねられたそうです。
幼稚園での食育がしっかり子どもたちに届いていますよとの、嬉しいご報告でした。